英語の勉強に洋楽は効果的?洋楽で英語力をアップするためのポイント
「英語の勉強に洋楽を聴いています。」という人も多いのではないでしょうか。
好きな洋楽を楽しみながら英語力がアップできれば、英語の勉強が苦手な人でも無理なく続けることができそうです。
実際、洋楽を英語学習の教材として活用している大学などもあり、英語習得における洋楽の効果には定評があります。
当記事では、様々な研究結果をもとに、洋楽を通して英語を勉強するメリットや注意点、効果的なポイントなどを紹介します。
洋楽で英語を勉強するメリット
洋楽を利用して英語を勉強するメリットとしては、「学習者の動機付け、学習態度に大きな効果があったことが指摘」されています。
英語に苦手意識がある人でも音楽は親しみやすく、楽しみながら英語学習に取り組めます。
また、「英語のリズムの習得」、外国の人とコミュニケーションをとるのに必要な異文化理解を深めるための「文化的価値」、実用的な英語を学ぶための「今日的な言語材料」として洋楽を取り入れた英語のが勉強が注目されています。
英語の勉強に洋楽を聴くのはおすすめの勉強法と言えるでしょう。
洋楽で英語を勉強する時の注意点
洋楽をいざ英語の勉強に取り入れたのはいいのですが、「まったく英語が聞き取れない」「歌詞を読んでも意味がわからない」という理由で挫折してしまう人もいるのではないでしょうか。
洋楽を教材として活用することについての問題点としては、
「俗語が多く、文法規則が守られていない。」
「歌詞の内容がわかりにくいものが多い」
などが挙げられます。
確かに、洋楽の中にはスラングが多用されている曲もあり、単語が省略されていたり略されていたりして、歌詞の意味がわかりにくいと感じる曲もあります。
ですので、洋楽を英語の勉強に利用するときは、英語の勉強のために適した曲選びや勉強の方法を知ることが大切です。(角山、2001)
洋楽で英語を勉強する時のポイント
曲の選び方
初心者の人は、比較的短くゆっくりな曲を選ぶといいでしょう。
また、初心者や上級者に関わらず、歌手の声が楽器の音楽に負けずにはっきりと大きく聞こえる歌がおすすめです。
スラングや訛りが少なく、単語や文法の難易度が自分の習得レベルにあった歌を選びましょう。
自分が楽しんで聴ける曲は、学習意欲を高め、継続して英語を練習するモチベーションとなります。
どの洋楽がいいかわからない人は、昔の名曲、映画やTV、コマーシャルなどでよく耳にする曲などから、聞き取りやすい曲を選んでみるのもいいでしょう。
はじめは歌詞を見ずに聴く
まずは歌詞を見ずに選んだ洋楽を何度か聴いてみましょう。曲を聴きながら、できるだけ単語やフレーズを聞き取れるように注意して聴きます。
聞き取れた単語を書き出してもいいでしょう。
英文を聞いて聞き取れた単語や文章を書き取る勉強法を「ディクテーション」と呼びますが、このディクテーションはリスニングの力をつけるのに役立ちます。(階戸 陽太,2012)
歌詞を見ながら聴く
洋楽を聴くことに慣れてきたら、次は歌詞を見ながら聴きます。
聞き取りが難しいところは、印をつけるなどして注意しながら歌詞と歌を比べて聴きましょう。
「例えば、”You had a bad day.”であれば”You・had・a・bad・day”と日本語のように一語一語明瞭に発音するのではなく、”had a”の下線部を「ダ」のようにつなげて発音」します。
このような音のつながりも、自分の耳で聴く音と歌詞を一致させていくよう意識して聴きましょう。(牧野眞貴,2013)
声に出して歌う
次は実際に自分で歌ってみましょう。
歌詞を見ながら発音や音のつながりなどを確認しながら、スムーズに歌えるように何度も練習します。
リスニングが苦手な人は、「音声と文字が結びつかない場合が多いので、音声を聞きながら文字を目で追っていけば、自然に両者が結びつくようになるとし、(英語が)目と耳から同時にインプットされるので、効果が倍増され」ることが研究結果によりわかっています。(牧野眞貴,2012)
歌詞を見ないで歌う
英語学習上級者や、もう少しレベルアップして英語を勉強したい人は、歌詞を見ずに歌ってみるのもいいでしょう。
まず1回目は歌詞を見ながら同時に歌い、2回目からは洋楽を聞きながら追いかけるように真似して歌います。
このように、聞こえてくる英文の後ろを影(shadow)のように追いかけながら発音する学習法を「シャドーイング」と言います。
同時通訳者を目指す人の訓練として使われており、非常に難易度が高く上級者向けの方法です。(河野翔太・林裕子・毛利史生, 2015)
まとめ
移動中や、ちょっとした隙間時間に気軽に楽しく聴ける洋楽は、「英語を勉強したいけど時間がない」「英語の勉強が長続きしない」というような人には特に試していただきたい勉強法です。
また、英語の発音やリズム、イントネーションを身につけるために洋楽は非常に効果的です。
ぜひ、お気に入りの1曲を探して、洋楽で楽しく英語の勉強に活用してみてください。
また、ここまで英語学習についてご紹介してきましたが、つい『これをやればできるようになる!』という方法が欲しくなりますが、なかなかそうはいきません。
理由は、こうした方法はあくまで「取り組み方」「対処療法」を提供しているに過ぎないからです。
咳が出たら咳止め薬を飲み、頭が痛かったら頭痛薬を飲む、といったことを行っているだけで、咳や頭痛の原因を突き止めて適切な治療を行っているわけではありません。
いちばん大切なことは、あなたが今英語ができていない課題はどこにあるのか、今はどのようなレベルにあり、次は何をどのように勉強する必要があるのかをベストな方法で導いてくれることにあります。
まずはあなたの課題がどこにあるのか、きちんと見極めるようにしましょう!
【参考文献】
角山照彦, 2001, 英語教育における音楽教材の活用|広島文教女子大学紀要, p12(第36巻)
階戸 陽太,2012,https://www.jstage.jst.go.jp/article/celes/43/0/43_KJ00009468952/_pdf/-char/ja
牧野眞貴,2013, 学生が効果的に感じる英語発音トレーニングの実践報告|牧野眞貴
牧野眞貴,2012, 英語リスニングにおける洋楽聞き取りの効果検証|牧野眞貴
河野翔太・林裕子・毛利史生, 2015,大学生の英語リスニング能力におけるシャドーイングの効果|河野翔太・林裕子・毛利史生,p115

学びのブログ編集部
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