Youtube動画は英語学習にどんな効果が?
Youtubeで英語の勉強?
みなさんは英語の学習をどのような方法で行っていますでしょうか?
それぞれの方法で工夫されていると思いますが、できるだけ効率的に学習したいものです。
そこでこの記事では、Youtubeでの動画視聴が語彙習得にどのような効果があるのかを実証した研究を紹介しながら、動画を使った英語学習をどのように行うとよいのかを紹介したいと思います。
オックスフォード大学がYoutubeを使った語彙習得の研究を行った研究を、皆さんの英語学習にも活かしてみてください。
Youtubeを見るのは単語学習に役立つの?
研究内容
今回行われたオックスフォード大学での研究について簡単に説明すると
「学校の先生や研究者は、語彙習得には授業外でリーディングが最も効果的と推奨しているが、今では授業外でも音楽、テレビ番組やブログなどでも気軽に学習言語に触れられる機会が十分整っている。では、今回はYoutubeとブログに焦点を当てて偶発的な語彙習得がどのように行われるか検証しよう」
という内容です。
偶発的な語彙習得に関する研究でYoutubeを対象としたものは、論文の著者の知る限り、これが初だそうです。
実験方法
参加者はオンラインで募集された14~25歳の英語学習者、合計84人で、第一言語はバラバラです。
彼らは5年以上の英語学習経験があり、かつ、英語圏の国々に3か月以上滞在したことがない人たちでした。
実験を行う前に、Youtubeのビデオやブログを理解するだけの十分な語彙を持っているか計るためのテストが行われ、その結果79人が残りました。さらに、そこからランダムにYoutubeグループとブロググループの2グループに振り分けられました。
Youtubeグループの参加者は2~5分の動画を3本見て、ブロググループは450~800語程度のブログを3本読み、その後、語彙の確認テストが行われました。
なお、対象の語彙を知っている可能性があることを考慮して、テストでは疑似語についての問題が出題されました。具体的には疑似語の綴り、意味、疑似語を含んだ文の生成と疑似語を用いた文法と意味のチェックなどです。
もちろん実験は辞書など一切見ることができない環境で行われました。
実験の結果、綴りにおいてはブロググループの方がYoutubeグループよりもいい結果を示し、単語の文法的機能、使い方や意味においてはYoutubeグループのほうがブロググループよりもいい結果を示しました。
何に役に立つのか?
以上が実験の内容でした。
ブログは文字を追っていくことから綴りでいい結果を出し、Youtubeは動画の速度に合わせて内容を追っていかないといけないことから、文法や意味でいい結果を出したと思われます。
単語帳や資格試験の勉強などといった意図的な暗記方法と違い、ブログで英文を読んだりYoutubeで動画を見たりすることは、偶発的な語彙習得に繋がるという結果になりました。
動画を見るとどのように語彙習得に効果があるのか?
では、動画を見ていくことでどのように語彙習得に効果があるのでしょうか?
媒体は異なりますが、TV番組を見ることで語彙習得に効果があったという、今回の実験と似たような研究結果も存在しています。
動画やテレビの中では、実際の日常生活で使われている言葉がたくさん出てきます。
言葉というのは様々な状況を言い表すため、動画を見ることによって状況と使われている言葉が結びつき、イメージしやすくなるというメリットがあります。
さらに、話し言葉を学ぼうと思ったら、その話し言葉が使われている文脈で学ぶ必要があります。
テレビや動画の場合、比較的短い時間で何度も単語を聞くことになります。単語との接触頻度が増えることで、語彙習得に繋がりやすくなるのdす。
この研究では偶発的な語彙習得に焦点が当たっていましたが、その他にも文法の使い方や話し方など、英語を母国語とする人たちが、どのような英語をどのようなシーンで使用するのかなどといった別の側面にも着目することで、より効果的な学習に繋がると私は感じました。
どのように動画を見るとより効果的なのか?
ただ、Youtubeの動画を見ていても、話している内容が分からないままどんどん再生されていってしまうといった経験をした人は少なくないと思います。
内容を理解しないまま声を垂れ流しているだけでは、ただの雑音や意味のない記号になってしまいます。
遠慮せず、字幕を付けて動画を再生することで、学習効果を上げていきましょう。
Youtubeやブログという性質上、それらをメインの勉強法にするのではなく、朝の仕事へ行く前や夜寝る前など補助的な勉強法として使うのがいいでしょう。
資格試験の勉強ばかりしていると、ストレスで勉強がはかどらなくなる可能性もあります。
自分の好きな内容の動画やブログを見るなど、勉強法に緩急をつける意味で取り入れてみてはいかがでしょうか?
まとめ
本日は、Youtubeやブログが英語学習を促進させる研究について紹介しました。
参考書などを用いて意図して単語を暗記することとは違い、Youtubeの動画を見たりブログを読んだりすることで、偶発的に語彙習得に繋がる可能性があることがあることが分かっています。
最後に、今回紹介した研究はどういう分野かと言うと、第二言語習得研究という枠組みの中での研究です。
第二言語習得研究の目的は「どのようにすれば第二言語が効率よく習得できるのか」というものです。日夜世界中で研究者が研究を行っているおかげで色々な学習法が世に発表されています。
ただし、注意していただきたいのはこの学習法で英語を勉強すれば必ず効果が出るというものではなく、あくまでこういう傾向があるということしか言えません。学習者の数だけ学習者のみなさんが抱えている課題は異なります。
いちばん大切なことは、あなたが今英語ができていない課題はどこにあるのか、今はどのようなレベルにあり、次は何をどのように勉強する必要があるのかをベストな方法で導いてくれることにあります。
まずはあなたの課題がどこにあるのか、きちんと見極めるようにしましょう!
【論文のリンク】
・オックスフォード大学によるYoutubeを用いた語彙習得効果の研究
「Vocabulary learning from watching YouTube videos and reading blog posts」
https://scholarspace.manoa.hawaii.edu/bitstream/10125/44660/22_03_arndt_10125-44660.pdf
・テレビ番組の視聴による語彙習得効果の研究
「Incidental Vocabulary Acquisition through Viewing L2 Television and Factors that Affect Learning」
https://ir.lib.uwo.ca/cgi/viewcontent.cgi?article=1106&context=edupub

学びのブログ編集部
最新記事 by 学びのブログ編集部 (全て見る)
- 本当の実力を手に入れる!英文精読の効果とポイント - 2019年4月26日
- 最速リスニング上達術!ディクテーションのすすめ - 2019年4月26日
- 記憶に残る最強のノート術!英語学習に役立つマインドマップ - 2019年4月26日