TOEIC970点取った経験者が教える発音とリスニングは同時強化でマスターする
日本人が英語学習を行う上で、苦労することのひとつに発音があります。
日本語と英語は「音」の点で大きく異なっています。母音の発音ひとつ取っても、日本語は「アイウエオ」の5つのみですが、英語の母音の数は一説によれば26あると言われています。
カタカナで「ア」に当たる音だけでも「cat」、「cut」、「cot」・・・みんな違いますよね。
「世界中のいろいろな人が訛りのある英語を話しているのだから、日本人も発音にそんなに神経質になる必要はない。日本語訛りの英語で十分だ」と言う人もいます。
確かに、「リズム」が少々日本語的になるぐらいなら通じるでしょう。
でも「b」や「v」をすべて「バ行」、「l」や「r」を「ラ行」、「s」や「th」をすべて「サ行」に置き換えるような発音は、もはや「日本語訛りの英語」ですらなく単なる「日本語」です。世界的には通じません。
少なくとも英語でのコミュニケーション力をつけたいと思っている人は、最低限相手に理解してもらえるレベルの発音は身につける必要があります。
そして、正しい発音方法を知らない音は、聞き取ることもできません。
古い話で恐縮ですが、アニメ「ルパン三世」の最初のテーマ曲の歌詞にある「Lupin the third…」の部分がどうしても「ルパン・ザ・サード・・・」に聞こえないと言っている声を何回か聞いたことがあります。
歌っているチャーリー・コーセイさんは「third」を正確に発音しているのですが、この単語の発音を知らない人は聞き取れないのです。
これがタイトルに「発音とリスニングは同時強化が大事」と書いた理由です。
まずは発音記号をマスターする
きちんと発音を身につけようと思ったら、まずは発音記号(発音方法も含めて)をマスターしましょう。
今の時代はどうか知りませんが、少なくとも私は学校で発音記号をきちんと教えてもらった記憶がありません。
口頭で「l」、「r」、「f」、「v」、「th」等、英語独特の音については説明してもらいましたが、個々の発音記号については部分的にしか教わらなかったように思います。私は当時通っていた塾の先生や独学で学びました。
発音記号はそれほど難しいものではなく、一通り知ってしまえば、英語学習の強い武器になります。
発音記号を学習することによって、英語にはどんな音が含まれるのか、日本語とはどう違うのか理解することができ、リスニングの基礎も固められます。
発音記号をマスターするには、自分で書いてみるのが一番です。
アプリの単語帳は便利なのですが、発音記号が入力できるアプリというのは見たことがありません。
発音記号に自信がない方は、単語帳についてはまずは手書きのものを使い、単語を書き取る時に必ず発音記号も併せて書くようにしてみましょう。
アルファベットを正しく発音できるようにする
AからZまでのアルファベットの発音を完璧に発音できているという自信はありますか?
もしないならまずはここからです。
「F]、「V」、「L」などは皆さん比較的注意するのですが、結構お座なりにされるのは「A」、「H」、「O」といった二重母音の発音。
会話の中でもこういった音が正確に発音できているかどうかで、その人が本当に英語ができるかどうかが分かります。
音声教材の使い方
音声つきの教材をうまく活用することによって、発音とリスニングを同時に鍛えましょう。
音声教材を使う時に一番いけないのは、単に「聞き流す」だけに終わらないことです。ご参考までに、1つの手順を示します。
1. テキストを見ずに音声だけ聞く。
2. テキストを読む。
1.で聞き取れなかった部分がどこかに注意する。意味だけでなく、文法的にわからない部分を残さない。
わからない単語や表現は辞書で調べると同時に、すべての単語の発音を確認する(実際に自分で発音してみること)。
3. テキストを見ながら音声を聞く。
4. 自分でテキストを音読する。
5. テキストを見なくても全部聞き取れるようになるまで3.と4.を繰り返す。できればテキストを暗記してしまう。
6. 慣れたらシャドーイングをしてみる。
必ずしも順番はこの通りでなくても構いませんが、要は教材を「しゃぶりつくす」つもりで取り組むことです。
発音練習の際に心がけること
量をこなすのが大事
英語は日本では学校の一科目ではありますが、少なくとも小学校、中学校、高校において学習する英語は「学問」というより「技術」の領域に属するものです。
従って、熟達度は注いだエネルギーの量と比例します。
特に英語の発音は日本語と全くと言っていいぐらい異なるものですので、口の筋肉の動かし方も異なります。
口の中に英語向けの筋肉を作るには、スポーツ同様ある程度の練習量をこなす必要があります。
私も久し振りに英語のテキストを音読してみると、口が思うように動かないのを感じます。粘り強くがんばりましょう。
2.常に「正確な」発音を心がける
言うまでもないことのようですが、1つ1つの「音」を大切にするというのは、慣れてくるとつい疎かになりがちです。
最初の方でも触れましたが、例えば二重母音の[ou]などは、ちょっと気を抜くとついつい日本語式に「オー」とやってしまいがちです。
文章の音読をするときは最初はゆっくりと、1つ1つの単語が正確に発音できていることを確認しながら練習してください。
3.「聞く」量も増やす
時々、変な「節」をつけて英語を話す(発音する)人がいます。
なんだかお笑いタレントが外国人の英語を「モノマネ」しているような感じさえするのですが、ああいう人は英語が正しく聞けていないのだと思います。
先述の「音声教材の使い方」を参考にして、発音とリスニングの学習をするのに加え、できるだけ多くの英語を聞きましょう。
こちらはCNNを流し放しにする等、ある程度の「聞き流し」でもいいかと思います。身体に英語のリズムを覚えさせるのが目的です。
ただし、「歌」は会話のリズムが分からないので、音源はできればニュースやドラマ等、通常の話し言葉になっているものを選びましょう。
発音の向上がもたらすもう一つのメリット
発音がうまくなると、英語の勉強が楽しくなります。
私は自分に取っての英語が単なる「学校の1教科」にとどまらず、ライフワークになるまで興味を持ち続けていられるのは正しい発音を身につけられたことが大きいと思っています。
英文を音読することの楽しさは、言わば歌が好きな人が歌うことの楽しさと近いものがあります。
自分の声を操って映画の名台詞などを口に出してみるのは快感ですらあります。
少々大げさな言い方をすれば、正しい発音を身につけることによって、それまで紙の上の「お勉強」にすぎなかった英語に命が吹き込まれます。
ぜひこの楽しさを味わってください。
発音の練習におすすめのスクール
最後に、発音を学ぶにあたっておすすめの英会話スクールを紹介しておきます。
最近は非ネイティヴ講師が主体のスクールが増えています。会話の練習が目的なら講師の国籍はあまり気にする必要はありませんが、やはり発音に関してはまずは標準的なものを身につけるべきだと思いますので、できればネイティヴ講師が揃っているスクールを選ぶのが良いでしょう。
「English Village」(https://www.english-village.net/)
こちらのスクールは講師全員がネイティヴであることを特徴にしています。

morinoue
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