英語を効率的に学ぶには!?記憶に定着させる最強の学習法
英語学習において効率的な勉強法とは何でしょうか?
おそらく多くの人が頭をかかえるテーマでしょう。あなたもこのような悩みをもったことはないでしょうか?
そもそも文法構造が日本語とは異なる英語の勉強を効率的にするためには、いったい何をどうすれば良いのでしょう?
ネットで検索すれば暗記やディクテーションなど様々なテクニックが紹介されていますが、より根拠の強い学習方法ははたして存在するのでしょうか。
今回はワシントン大学心理学脳科学教授 John Nestojko氏の研究結果から
科学的な見知に基づき、どのような学習法が最適なのか、人間の学習メカニズムと具体的テクニックを交えてご紹介します。
人に教えることを意識しただけで学習効率が向上する!
なんと「教える」ということを意識するだけで記憶の定着や情報整理が効率化されるというのです。
この研究はワシントン大学心理学脳科学教授 John Nestojko 氏によるもので、被験者を以下の2つのグループに分けテストを受けさせました。
グループ①:覚えた情報をテストすると伝えてテスト
グループ②:覚えた内容を後ほど誰かに教えなければならないと伝えてテスト
どちらのグループもテストを受けましたが、グループ②は実際にはテスト後に覚えた内容を誰かに教えるということはしませんでした。
つまり、単純に覚えた情報のテストをすると伝えたグループ①に対して、覚えた情報を誰かに教えるという意識付けをさせたグループ②は成績に差が出るのかを調べたわけです。
結果としては、誰かに覚えた内容を教えなければならないと伝えられたグループ②の方がテストの成績が良くなったのです。
学者の見解では、この研究は、学習効率を高めるには学習前あるいは学習中の意識の差が学習効率の差に影響するとしています。
心構えや気持ち次第で無意識に新しい情報を記憶する際の効率化が図られ、情報の最重要ポイントや情報同士の概念の結びつきに着目し脳内の情報整理が通常よりも深く注意深く行われるようになるそうです。
つまり、何かを覚えるという作業において与えられる指示や自分自身の心構えで、私たちは無意識のうちに学習効率を変化させることができるのです。
英語の勉強においても単語や文法などを「誰かに教えなければならない」と意識することで効率が上がるわけです。
先生が生徒に「今日の内容を明日隣の人に教えてあげてください」と指示するだけで記憶定着率が良くなるわけですから、意外とかんたんな意識付けで成績を上げることができるようになりますよね。
しかし、独学で勉強している方や仕事の合間などで英会話スクールに通っている方などは自習を効率化させるほかありません。
自分一人でそうした工夫をするには、いったいどのようにすれば良いのでしょうか?
ここから先は具体的なテクニックを用いて勉強アイディアをご紹介させていただきます。
効率的な英語勉強法
1.誰かに教えることを想像する
まず挑戦していてだきたいのは、想像の中で誰かに教えるという方法。
あなたの身近な人や仲の良い人を思い浮かべてください。そして、その人に自分が覚えた内容を講義するという想像をしてください。まるで先生になったかのように雄弁をふるい、どうしたらあなたの目の前にいる生徒が理解してくれるのかを試行錯誤しながら、想像の中で講義をしてみましょう。
目の前に生徒がいると想定して、実際に声に出してやってみるとさらに効果的です。頭の中で組み上げた情報を声に出して発信することで、情報が整理されより記憶に定着されやすくなります。
もし一人暮らしであれば周りを気にする必要もありませんし、羞恥心を捨て挑戦してみましょう。
2.英語でブログを書いてみる
英語ブログを作ってみましょう。テキストに起こし自分の情報を確認することで、脳内整理を図ることができます。
ほかの人が運営している英語ブログを見ながら研究してみるのも良い手です。
自分では気づかなかった文法や単語の意味、慣用句の使い方などが「ブログを書く」という作業の中で身につきます。
ブログといっても必ず公開する必要性はありません。あくまでもあなた自身の学習効率化ために運営してみてください。
慣れてきて自分の知識に自信が持てたら、思い切って公開してみるのも良いでしょう。
読者とコメントで交流するなどすれば、英語の勉強に新たな楽しみを発見することができます。
3.自分専用問題集を作る
覚えたことを復習するために、自分専用の問題集を作ってみましょう。
文法や単語の苦手ポイントを自分専用にカスタムできるため、復習自体の効率化も図ることができ、無駄なく勉強をすることができるようになります。
自分自身に教えるということを意識して作成するため、記憶の定着率も高まるでしょう。
人の脳は失敗をして悔しいという感情を抱けば抱くほどその情報がより強く記憶に保存されるようになっているため、この自分専用問題集も何度も復習し、間違えた箇所は繰り返し問題集に追加することで、さらなる効果が期待できます。
4.動画撮影
最後は動画撮影です。
手順は1の想像講義と同じ要領で、カメラの前に生徒がいるかのようなイメージをしてください。そしてその生徒がスムーズに理解してくれるように実際に声に出して講義をしてみましょう。
カメラを回していると他人から見られているかのような感覚に陥り、自己意識が強くなることで緊張しやすくなります。はじめのうちは頭の中が真っ白になってしまい思うようにいかないかもしれませんが、慣れれば自然と言葉が出てくるようになります。
つまり、自分をプレッシャーに慣らす訓練と英語学習の効率化を同時に行うことで、より実践的な知識が身につくのです。
何度も転んで経験を重ね、やっと自転車に乗れるようになるのと同じように、英語学習も実践を重ねリアルな世界で活かすことを想定するのとしないのとでは、情報整理に大きな差が生まれます。
動画はあくまでも自分用ですので撮影し終わったら消去しても構いませんが、英語の発音を確認することもできるため、復習用に残しておいても損は無いはずです。
まとめ
以上が科学的見知に基づいた英語学習方法でした。
実際にこの方法を試して見る前に!
ここまで英語学習についてご紹介してきましたが、これをやればすぐに英語ができるようになるかというと、そうではないかもしれません。
理由は、こうした方法はあくまで「取り組み方」「対処療法」を提供しているに過ぎないからです。
咳が出たら咳止め薬を飲み、頭が痛かったら頭痛薬を飲む、といったことを行っているだけで、咳や頭痛の原因を突き止めて適切な治療を行っているわけではありません。
いちばん大切なことは、あなたが今英語ができていない課題はどこにあるのか、今はどのようなレベルにあり、次は何をどのように勉強する必要があるのかをベストな方法で導いてくれることにあります。
まずはあなたの課題がどこにあるのか、きちんと見極めるようにしましょう!
参考文献:Expecting to teach enhances learning and organization of knowledge in free recall of text passages
John Nestojko(https://link.springer.com/article/10.3758/s13421-014-0416-z#page-1)

学びのブログ編集部
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