英語ができない悩みを解決する方法
みなさん、英語の勉強頑張っていらっしゃいますか?
英語に限らず、語学の習得には学習量がものをいいます。勉強をしたらしただけ、実力も向上します。
でも、正しい方法で学習をしていないと長い時間をかけた割に実力がそれほど伸びないといったように、効率が悪くなってしまいます。
「いつまでたっても英語ができるようにならない」という嘆きはここから生まれるのです。
これから「最短距離」で英語力をつけていくためにはどうすればいいのか、考えてみたいと思います。
英語が「できる」ってどんなイメージですか?
最初に質問があります。
自分に取って、「英語ができる」とはどんなイメージでしょうか。
外国人の友達と談笑している自分?
字幕なしでも英語の映画や芝居を楽しめる自分?
会社の会議で外国人相手に英語でプレゼンテーションを行っている自分?
例えば「外国人の友達と談笑している自分」を思い浮かべたとしましょう。
次に、もう少し具体的にイメージしてみてください。
相手はどこの国の人ですか?
どこで会話をするのでしょう?
話題は何ですか?
この3つのことを考えただけでも、必要な英語力のレベルは実に様々です。
静かなレストランで外国人と2人切りで、目の前の食事が美味しいとかまずいとかいう会話に必要な英語のレベルと、騒がしいバーでいろいろな国籍の外国人5~6人のグループと次々切り替わる話題に無理なくついていける英語のレベルでは段違いです。
また、「英語で仕事をする」という場合にもビジネスマン、通訳者、翻訳家ではそれぞれ必要な能力が異なります。
単に「ビジネス英語」と言っても、会話は何とかこなせても英語の文書を作らせるとお粗末という人は結構多いものです。
ビジネスの場で外国人と問題なくコミュニケーションが取れる人でも、通訳ができるかどうかは別問題です。
翻訳を仕事にしている人のなかにはリスニングやスピーキングに自信がないという人も少なくはありませんが、ことリーディングについてはネイティブ以上の能力を備えている人がたくさんいます。
まず最初に考えること
Photo credit: 1DayReview on Visualhunt.com / CC BY
こう考えていくと、「英語ができる」ということについてもあいまいなイメージしか持っていないという人も結構多いのではないでしょうか。
まず大事なことは、自分が目指す目標を明確にして、そこに向けた努力をしていくということです。
「英語ができるようになりたい」と思ったら、むやみに勉強をしても効果がありません。
正確には、全く効果がないわけではありませんが、かなり遠回りをすることになる可能性が大きいです。
学習の最初に、まず次の2つを明確にすることが必要です。
1.英語に関してどうなりたいのか
まずはゴールをしっかり見据えましょう。
どんな時に英語を使うのか
・海外旅行で必要十分な程度(買い物、レストランの注文等)
・外国人の友達との日常会話
・仕事での会話
・TOEICの点数を上げたい、英検に合格したい
英語で何をしたいのか(する必要があるのか)
・スピーキング
-必要なし
-旅行で使う程度の会話
-友人との日常会話
-ビジネス会話
-ビジネスプレゼンテーション
-通訳
・ヒヤリング
-必要なし
-旅行会話
-TOEICや英検のヒヤリング
-友人との日常会話での聞き取り
-ビジネス会話での聞き取り
-字幕なしで映画を見たい
・リーディング
-仕事で使うビジネス文書の読解
-英字新聞を読みこなしたい(どの英字新聞ですか?)
-小説(どんな種類の小説ですか?)
-専門書(ジャンルは何でしょう?)
-翻訳(翻訳するのはどんな種類の英文ですか?)
・ライティング
-個人的なメール
-ビジネスメール
-ビジネス文書
-翻訳(翻訳するのはどんな種類の英文ですか?)
実際はこのどれか1つに当てはまるというケースは少なく、組み合わせになるでしょう。
いきなり最終形を目指さなくても構いません。まずは「なりたい姿」を明確にしましょう。
2.自分の英語にはどんな課題があるのか
目標が定まったら、こんどは自分の「課題」を把握しましょう。
「悩み」の構造
「英語学習 悩み」でネット検索してみると、以下のようなものが出てきます。
・いろいろな教材を使って英語を勉強しているのに、英語が聞き取れない
・リーディングが苦手
・TOEICの点数が上がらない
・ボキャブラリーが少ない
・英語を使う機会が少ない
・勉強法が分からない
・勉強をする時間が取れない
・相手の言っていることが何となくわかっても言いたいことが言葉に出ない
・英文が書けない
・どうやってモチベーションを上げたらいいのかわからない
・英文法が苦手
・英語の発音が苦手
きっと英語を学習している人なら心当たりのあるものが複数あるのではないでしょうか。
ただ、ここで注意していただきたいのは、それぞれの「悩み」が独立したものではなく、お互いの原因と結果の関係になっているものが多いということです。
この観点から、試しに先ほどの「悩み」を整理してみましょう。
「悩み」の因果関係
【結果】いろいろな教材を使って英語を勉強しているのに、英語が聞き取れない
【原因】ボキャブラリーが少ない
英語を使う機会が少ない
勉強法が分からない(間違っている)
【結果】リーディングが苦手
【原因】ボキャブラリーが少ない
英文法が苦手
【結果】TOEICの点数が上がらない
【原因】ボキャブラリーが少ない
英文法が苦手
【結果】相手の言っていることが何となくわかっても言いたいことが言葉に出ない
【原因】ボキャブラリーが少ない
英語の発音が苦手
英文法が苦手
【結果】英文が書けない
【原因】ボキャブラリーが少ない
英文法が苦手
リーディングが苦手
【結果】どうやってモチベーションを上げたらいいのかわからない
【原因】英語を使う機会が少ない
勉強法が分からない
これはあくまで一例です。原因と結果の関係は学習者によってそれぞれ異なりますし、ある結果が別の結果の原因になっていることもあります。
従って、学習でつまずいている部分があるにしても、個々の細かな課題にとらわれすぎずに、悩みの因果関係を整理し、総合的に判断した上でどうやって学習していけば良いのか組み立てていく必要があります。
スポーツと同じで、例えば野球のバッターが打てない場合も原因がフォームの場合もあれば、筋力の弱さだったりする場合もあって、筋力だとしても体のどの筋肉を鍛える必要があるのかは選手によってまちまちです。
英語は学校の強化の1つに含まれていますが、数学や物理化学と異なるのは、英文学者や言語学者になるのでもない限り、言葉の仕組みを解き明かしてなんぼ、ではないということです。
学んだ知識を自分でいかに使いこなせるかが重要であり、その意味では学問というより「アート(技)」の世界です。
きちんと目的を設定し、その目的を達成するのに適した学習をしなければ費やした時間の割には実力が伸びない、といったことになる可能性が大きいと思います。
難しいのはここからです
Photo credit: amsfrank on Visualhunt / CC BY-SA
「目標」と「課題」が明確になったら、いよいよ「対策」としての学習に取り掛かることになります。
ただ、ここでも問題があります。「目標」については自分で考えれば何とかなるでしょう。
でも、「課題」については特に初級~中級者の場合は、いったい自分は何が原因で英語学習に行き詰っているのかわからないことが多いのではないでしょうか。
この部分は重要です。
例えば、先ほどの「相手の言っていることが何となくわかっても言いたいことが言葉に出ない」という悩みを持っている人が、本当は文法をきちんと理解していないのが原因なのに単に場数を踏んでいないのが原因だと思ってひたすらネイティブ相手に会話の練習だけを繰り返したら、意思疎通のスムーズさの点ではある程度向上できたとしても、いつまでもブロークンな英語を使い続けることになるでしょう。
そういう英語では親しい人との日常会話では受け入れてもらえても、正式なビジネスの場では通用しません。
次回は、課題を正しく把握し、適切な対策を立てるにはどうすればよいのかを考えていきます。

morinoue
最新記事 by morinoue (全て見る)
- 英語学習は「課題」の狙い撃ちが肝心! - 2019年4月2日
- 英語学習に必要な「道具」とは - 2019年4月2日
- 英語ができない悩みを解決する方法 - 2019年4月2日