英語のボキャブラリーの最も効率的な増やし方とは

カラフルな手書きのアルファベット
「英語のボキャブラリーを増やしたくても、せっかく覚えた単語をすぐに忘れてしまう」といったことで困っていませんか?

実は、ボキャブラリーを増やす方法について、研究結果があるのです。

研究を行ったのは、あの実用英語技能検定を行っている日本英語検定協会。もちろん比較のエビデンス付きで数値的に比べることができます。

今回は、日本英語検定協会が定義する最良の語彙学習方法をご紹介します。

 

調査の背景

今回、調査の対象となったのは高校生です。語彙力を短期間で鍛えて大学入試に挑まなければいけない高校生は、膨大な時間を語彙習得に費やしています。

しかし、努力とは裏腹に大きな成果を収められない生徒も少なくはありません。

そこで語彙学習に問題をフォーカスし、語彙習得の最良の方法を模索していくことが調査の目的となりました。

 

調査と比較の方法

教室の風景

今回は、とある高校の同学年2クラスを対象に調査が行われました。

特定の学習法で英単語を暗記させ、その24時間後に単語テストを行うことで、機械的学習法との正答率を比較するものでした。

機械的学習法とは、英単語とその意味が書かれたリストで学習することを指します。

 

エビングハウスの忘曲線に基づくと、1時間後には記憶したものの45%だけが保持され、24時間後は30%、さらに1週間後には25%、1カ月後には20%の保持率となるという実験結果があります。

このことから、24時間後に覚えているものは1カ月たってもその70%近くは保持されているということになります。

そのため、1週間後や1カ月後の遅延テストは行わず、24時間後のテストのみ行われました。

 

絵・映像・音声を利用したボキャブラリー学習

アルファベットのBとBear

 

この実験で用いられた特定の学習法とは、絵や映像をそれぞれの単語に付け加えたものを見せたあと、ネイティブの発音を聴きそれを繰り返すというものです。

市販の本でいうと「絵で覚える英単語帳」に近い学習法となります。

 

現在、絵を使ったボキャブラリーの増やし方は最もオーソドックスな学習法の1つとして知られていますが、本当に効果はあるのでしょうか。

実際に機械的学習と比較してみました。

 

絵・映像・音声学習法VS機械的学習法

調査の結果では、絵や音声を利用した学習法で暗記したグループの正答率は39.3%、機械的学習法で暗記したグループの正答率は42.4%でした。

思いの外絵や音声を使うよりも、機械的学習で覚えたほうが効率が良いことが分かりました。

 

正答率が低かった原因として、絵や音声が脳に干渉してしまうことで余計な情報がインプットされてしまうことがあげられます。

絵や音声を利用した学習法よりも、リストだけの暗記に集中させた方が効果的であるといえるでしょう。

 

文脈を利用したボキャブラリー学習

英語の本を読む人

 

文脈とともに単語を暗記する学習法で、長い文脈ではなく「(atomic) bomb」のように単語 を1つの句程度の中で使います。

長文読解力を高めたい場合は別ですが、今回はあくまでボキャブラリーの増やし方が目的なので長い文脈を避けました。

 

文脈を利用した学習法もまた、絵を利用した学習法と並ぶ定番な学習法ですが、実際に効果はあるのでしょうか。

機械的学習と比較してみましょう。

 

文脈を利用した学習法VS機械的学習法

調査の結果、文脈を利用した生徒の正答率は42.3%、機械的学習法で暗記した生徒の正答率は43.4%でした。

数値的な誤差はあまりないものの、機械的学習のほうが正答率が上回っています。

絵や音声を使った学習法同様、文脈を利用した学習法も機械的学習より効率が高くありません。

 

単語の暗記という点では単語以外の情報、ここでは()にあたる部分が逆に余分な情報となってしまっています。

単語そのものの暗記の妨げになってしまい、残念ながら文脈を利用しても暗記の助けにならないことが分かりました。

 

ジャンル別のボキャブラリー学習

果物が盛られたカゴ

 

受験や日常会話用の単語帳でよく見かけるジャンル別ボキャブラリー学習です。

教育、戦争、医療、経済など意味的まとまりのある単語グループを暗記します。

例えば果物であればAppleやBanana、Orangeとなります。

 

ジャンル別学習法VS機械的学習法

ジャンル別の単語を暗記した生徒の正答率は49.1%、ジャンル分けしていない単語を暗記した生徒の正答率は48.4%でした。

わずかながらジャンル別の単語を暗記した生徒のほうが正答率が高いです。

 

しかし、調査では覚える単語の数が20個と少なかったので、これが1000個2000個となってくると結果も違ってくるでしょう。

また、ジャンルがはっきりしているものは分けやすいですが、「プラス思考」など抽象的なものにジャンル分けされた単語の暗記は難しいと考えられています。

 

新記憶法を使ったボキャブラリー学習

開かれた英語の本

 

新記憶法とは?

新記憶法とは、語呂合わせと語根・接頭辞・接尾辞を使った学習法です。

一つの単純な学習法ではなく、1つ1つの単語に最適な学習法を用意し効率に暗記していくというものです。

 

さらに、上記のどの学習法にも適さない単語があれば、2つの語を組み合わせて覚える学習法を採用します。

他の学習法とは違い、さまざまな方法を採用していることから新記憶法と名付けられました。

 

新記憶法のやりかた

例えば、語呂合わせで暗記したいのであれば「日本は欧米(obey)に【従う】」といったように暗記していきます。

語根・接頭辞・接尾辞であれば、「aspect:a(1つの)spect(見る)→1つの見方→観 点・側面」といったように暗記します。

そして、2つの語を組み合わせて暗記したいのであれば「resign:re=再び sign=サイン(署名)する。雇われた後、再び(契約書)に署名する=辞職する」と覚えます。

 

新記憶法VS機械的学習法

新記憶法での正答率は40.2%、機械的学習での正答率は17.5%でした。

他の学習法と違い、新記憶法は機械学習と2.5倍もの大差をつけているのが分かります。

 

中には接頭辞の意味を書いてしまった生徒もいたそうです。

しかし、コアとなる部分を暗記できているので、その単語が文脈にでてきたら容易に理解できるのではないかといわれています。

 

最も効率の良いボキャブラリーの増やし方は「新記憶法」

星の数で評価する人

以上の結果から、紹介してきた4つの学習法で同じ単語を20個選び出し、全く均一の4つのグループに分けてテストを行った場合このような結果になるといわれています。

 

  • 映像・音声 40.3%
  • 機械的学習 43.4%
  • 文脈 42.3%
  • ジャンル別 44.0%
  • 新記憶法 98.6%

 

数値にしてみると分かりますが、新記憶が圧倒的に結果が良いです。

このことから語呂合わせと語根・接頭辞・接尾辞そして2つの単語をあわせて覚える新記憶法が最も効率の良いボキャブラリーの増やし方だということが分かりました。

 

まとめ

いかがでしょうか。

今回は、定番なボキャブラリーの増やし方からマイナーなボキャブラリーの増やし方まで紹介してきました。

新記憶法が最も効率よくボキャブラリーを増やすことができますが、実際にやってみたら他の学習法の方が効率がよかったということもあります。

私も常日頃からさまざまな方法を試し、ボキャブラリーの増やし方を研究しています。

 

また、ここまで英語学習についてご紹介してきましたが、つい『これをやればできるようになる!』という方法が欲しくなりますが、なかなかそうはいきません。

理由は、こうした方法はあくまで「取り組み方」「対処療法」を提供しているに過ぎないからです。

咳が出たら咳止め薬を飲み、頭が痛かったら頭痛薬を飲む、といったことを行っているだけで、咳や頭痛の原因を突き止めて適切な治療を行っているわけではありません。

 

いちばん大切なことは、あなたが今英語ができていない課題はどこにあるのか、今はどのようなレベルにあり、次は何をどのように勉強する必要があるのかをベストな方法で導いてくれることにあります。

 

まずはあなたの課題がどこにあるのか、きちんと見極めるようにしましょう!

 

 

【参考文献:中池宏行,学習方法の違いによる語彙習得率の比較研究】

https://www.eiken.or.jp/center_for_research/pdf/bulletin/vol16/vol_16_p174-p180.pdf

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英語のボキャブラリーの最も効率的な増やし方とは
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英語のボキャブラリーの最も効率的な増やし方とは
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ボキャブラリーを増やすことは英語学習において最も重要なことのひとつ。しかし、なかなか単語を覚えられず苦労している人も少なくありません。英単語の記憶にはあるコツがあります。ここでは、日本英語検定協会が定義したそのコツについて詳しく解説します。
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学びのブログ
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